【シンガポール】Dick Leeは、懐かしくない。
「Dick Leeですか、懐かしいですね!!」
SNSでDick Leeのデビュー50周年記念を話題にしたところ、そんな反応があった。
御冗談を!!
彼は現役のミュージシャンとして第一線にいますよ。
懐かしんでいる暇なんてありませんよ!!
(もちろん冗談めかして。)
(新曲「This Old World」)
もちろん、その人は悪気があったわけではない。80年代90年代、日本から見たアジアのアイコンのひとりであったのは確かにDick Leeであったし、物心ついた当時の少年少女はポンキッキーズで彼の曲を知り、歌い、踊った。大阪で開催された「なみはや国体」ではDick Leeがテーマソングを歌い、大阪の国際都市ぶりをアピールした。多くのAsian popsファンは、張國榮の「追」を耳にしたが、これはDick Leeの作である。
■■僕は、「歴史の中に音楽がある」のが好きだ。■■
Dick Leeはシンガポール史の中で、ポップスが国民の「民謡」になっていく過程を刻むというのを50年かけて見せてくれた。出世作「Fried Rice Paradise」以降、彼のスタンスはその試行錯誤にあふれていた。そして、シンガポールはシンガポールのアイデンティティを確立する。それは音楽にとどまらず、シングリッシュのような使用言語にも影響を与えた。
こんなダイナミックな動きを目の当たりに出来たんだ。
当然、感謝と感動しかない。
新曲「This Old World」で、彼は再度、彼がこだわり続けた単語を用いた。
「HOME」である。
「HOME」は、NPDテーマソングにも選ばれている、シンガポールを代表する曲であり、国民歌と言ってもいいだろう。今でもNDPでは、その年のテーマソングを差し置いて「HOME」は必ず歌われる。
新曲ではその「HOME」という単語にこだわりつつも、そこにはシンガポールという特定国歌という意味だけではなく、世界全体を表すような体裁を取っている。シンガポールで確立されたものを世界的なものに普遍化するという意図があるのだろう。50年という節目に、彼の意図するところは大きい。
新曲ではその「HOME」という単語にこだわりつつも、そこにはシンガポールという特定国歌という意味だけではなく、世界全体を表すような体裁を取っている。シンガポールで確立されたものを世界的なものに普遍化するという意図があるのだろう。50年という節目に、彼の意図するところは大きい。
もう一度繰り返そう。
「Dick Leeは懐かしくない。」
まだまだ彼の活躍はここから、まだまだ続く。
(Dick Leeとの座談会。日本語自動翻訳も付いているので、ぜひ視聴を。)
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